魔法少女リリカルなのは −ソード・マスター− ※この作品は「とらはシリーズ」とオリジナルの内容も多少含みます。 「―――は?」 海鳴市、高町家の居間。 そこで恭也は今何を言われたのか判らず、咄嗟に問い返していた。 恭也の目の前でにこにこと微笑むリンディ・ハラオウン時空管理局提督は、そんな恭也の反応にも微笑を崩さず、そのままの表情で再び口を開く。 「だから、管理局に入りません?」 横でクロノがため息をつく。 その肩に置かれるエイミィの手。エイミィの顔は、苦笑を浮かべていた。 「い、いえ……しかし、ですね……」 唐突すぎる。 恭也とて管理局というものに興味が無いわけではない。先日戦ったライバルの所属する場所であり、愛する妹の職場ということもある。気にならないわけがなかった。 だが、しかしである。 高町家を訪れることが珍しくないとはいえ、事前の連絡もなく突然やって来て呼び出され。居間に向かってみれば、満面の笑顔のリンディと疲れ果てた様子のクロノ、その横で苦笑いのエイミィに迎えられ。母桃子の淹れたお茶を一口飲んで、一息ついたところでこの台詞である。 戸惑うなというほうが無理だった。 「いいじゃない、恭也」 ふと、台所から戻ってきた桃子から声がかけられる。 味方を得たと考えたのか、リンディの顔に更なる輝きが広がる。 「……簡単に言わないでくれ、母さん」 どこか憮然として桃子に目を向ける。しかしそれぐらいでは桃子は怯まなかった。 「簡単に言ってるんじゃないわよ。別にアンタ、ボディーガードをこの世界専属でやらなくてもいいじゃない。向こうにも嘱託って感じで仕事を受けてもいいんじゃない?」 思いのほか、しっかりした意見に、恭也も思わず考え込む。 確かに、ボディーガードを生業とすることは幼い頃から決めていたことだが、この世界限定で仕事をしなければならない理由はない。 嘱託、あるいはただの協力者として管理局の仕事に力を貸すというのも、十分恭也がボディーガードとしてやりたい仕事の範囲内だろう。 なにより、御神の剣士としての本分は"戦って守ること"である。管理局の仕事は、ある意味その本分に叶っているともいえた。 「……確かに、選択肢にないわけではないが……」 それを聞いて、瞬時にリンディが身を乗り出す。 「あらそう? なら、早速管理局に来てみません? 見学ってだけでもいいし、もしよければ剣術指南なんかもお願いできたら嬉しいんですけど。あ、今はなのはさんたちもいますから、ついでに会いに行ってみませんか?」 畳み掛けるように迫ってこられ、恭也も思わず引いた。隣でクロノが、提督、と呼びかけているのだが、リンディの耳には届かなかったようだ。 「あら、なのはもいるんだったらこの機会に見てきたら? 可愛い妹の働く職場、気にならないわけでもないんでしょう」 桃子もリンディに続くように恭也の説得に回った。 この場でもっとも年上の先達二人に言われては、恭也としても無碍にするわけにはいかない。 クロノは目で断ってください、調子に乗りますから、と伝えているのだが、残念ながら恭也に伝わることはなかった。 しばし悩んだ後、恭也はおもむろに口を開いた。 「……わかりました。あくまで見学という形でしたら、行ってみようと思います」 言質をとると、リンディは目に見えて表情が輝き、嬉しさを満面の笑みで表した。 クロノは、がっくりと肩を落としている。 「それでは、早速行きましょうか。転送魔法の準備はもうできてますから」 にこにこと嬉しそうに笑うリンディを見て、恭也も何だかまぁいいか、という気持ちになってくる。 興味があったのは事実なのだから、行ってみるのも面白いだろう。 そう自分でも積極的な気持ちになり、リンディたちの近くへ行こうと席を立ったところで、 「あ、ちょっと待ちなさい恭也」 桃子に呼び止められた。 怪訝な顔をして恭也が立ち上がると、桃子は後ろ手に持っていた何かを恭也に手渡す。 銀色で四角く、手のひらサイズのその物体は――― 「……カメラ、か?」 桃子はそれに笑顔で頷く。 「仕事中のなのは、それにしっかり撮ってきてね!」 こちらも満面の笑顔の桃子に、呆れの混じった視線を向ける。 「……それが目的か、高町母」 桃子は、笑うだけだった。 時空管理局、本局。 アースラを仲介しての遠距離転送で、恭也はその場所に足を下ろしていた。周りがほとんど銀色の壁で驚いたものだが、中庭らしい巨大な空間―――生活用のショッピングモールも兼ねている―――には、緑も多くあり、とても綺麗な印象を恭也は持った。 そこには普段街で見かけるような私服を着ている者もいれば、管理局の制服を着ている者に魔導師らしいローブを着ている者もいる。 本当に違う世界なのだと実感し、恭也は少なからず感動を覚えた。 リンディに連れられて歩いていると、腰に差した八景がわずかに金属音を響かせる。剣術指南をするつもりはないが、一応ということで持たされたものだった。 ……なんだか、無理矢理やらされそうな気がしてならない恭也であった。 「なのはさんたちは今、武装局員の養成校の生徒たちを相手に模擬戦をしているはずよ。まだ時間がかかるでしょうから、違うところを見てみましょうか」 「……はい、お願いします」 まったく知らない場所にいるのだ。恭也としてはリンディに任せるより他になかった。 そんな恭也に、リンディは微笑んだ。 「ここら辺は、武装局員のトレーニングルームが集中しているところね。なのはさんたちのいるところはここよりも少し東に行ったところですから、そっちに―――」 リンディの言葉の途中で、彼女の持つ端末がピーピーという電子音を繰り返す。 端末を取り出し、それをひとつ操作すると、空中に突然エイミィの顔が映ったモニターが現れる。 わずかに目を見張る恭也を尻目に、リンディは目の前の部下に尋ねる。 「エイミィ、どうしたの?」 『艦長、すみません。クロノくんが、今日までの書類に、まだサインされていないものがあるって言ってるんですけど』 それを聞いて、リンディはあら、と驚いたように声を漏らし、次に苦笑して、ため息をついた。 「はぁ……仕方ないわね。すぐに戻ります。ちょっと待ってて頂戴」 『はい。クロノくんにも伝えておきます』 宙に浮いていたウインドウが消え、リンディは再びため息をついた。 「……用事ですか?」 恭也が聞くと、申し訳なさそうにリンディが頷く。 「ええ。ごめんなさいね、恭也さん。本当なら、私が案内するはずだったんだけど」 「いえ、気になさらないでください。こんな日もあります。案内は……またの機会でもいいでしょう」 恭也が本心から気遣ってそう言うと、リンディはそうね、と頷き、たった今自分が使っていた端末を恭也の手に握らせた。 「……これは?」 「私の端末」 即座に返ってきた答えに、それはわかっています、と恭也は返した。 「このまま帰してしまうのも気が引けるから、見て回ってみたらどうかしら? その端末があればすぐに連絡を取れるし、私のものだから、それを見せれば多少の融通は利くと思うわ」 操作はここをこうね、と恭也の手の中の端末の説明を始めるリンディ。 対して恭也はわずかに戸惑いの表情を浮かべていた。 「……勝手に見て回ってもいいんですか?」 当たり前の恭也の問いに、リンディは笑って大丈夫よ、と答えた。 「いくらなんでも重要な施設や立ち入り禁止のところには入れないし、それ以外なら特に隠しておくような場所もないですし。それに、恭也さんのこと、信用してますから」 人の好い笑みを浮かべて、リンディはそう言葉を紡いだ。 なんとなく、リンディの笑顔には逆らえそうにない、と思えてきた恭也。こんなふうに頼まれたりしてしまうと、断れる人間なんていないんじゃないかとも思う。 恭也も例に漏れず、苦笑してありがたく見学させてもらうことにした。 「……わかりました。それでは、少し見て回らせてもらいます」 「ええ。それじゃあ、私は用事があるから。端末に連絡を入れるから、それまでは見ていてくださいね」 「はい」 恭也の首肯を見て、リンディは今来た道を戻っていく。 それを見送ってから、恭也はさて、と辺りを見回した。 「……確か、武装局員の訓練室があるんだったか」 どこか適当に見繕って見学してみよう、と思い立ち、恭也はきょろきょろと周囲の部屋を見てみる。 訓練室のドアの横には小さなモニターがついている。どうやら室内の様子を断片的ながら見ることができるらしい。そこを確認しながら歩いているのだが……、 「ん?」 ふと、ひとつだけ、画面が真っ黒な部屋があった。利用していないのだろうか、と思ったが電光板には『使用中』の文字。 「ふむ……」 気になり、思わず扉に近づいてしまう。 と、空気の抜けるような音とともに扉が横にスライドして開いてしまった。 これには恭也も慌てた。もし中で大きな戦闘や、集中を要する魔法を使っていたら集中を切らせて危険は事態になるかもしれない。 しかし開いてしまったものは仕方がなく、恭也は瞬時に室内の様子を確かめた。 と、いささか理解に苦しむ光景が恭也の目に入った。 まず、一人の青年が壁に背を預けるようにもたれかけており、頭や口から血を流している。服もところどころ擦れ、破れており、遠目にもそれなりにひどい怪我であることが伺えた。 そしてその青年に相対する形で陣取っている一団。六人の、青年と同年代と思われる集団だった。しかしこちらは誰にも少しの傷も汚れもなく、見下ろすように先ほどの青年を見下ろしていた。 状況を理解するにつれ、恭也の眉がつりあがっていく。一人の重傷の青年と、それに対している無傷の集団。そして、見下すような冷たい視線となれば、とりあえず一番に思いつくものはひとつだけだった。 「……いじめか」 ぽつり、と呟いただけの一言だったが、聞きとがめた者がいたようだった。 恭也のほうへと視線を向け、あからさまに気分を害したという表情を浮かべる。 「なんだ、てめぇは」 その声で恭也の存在に他の者達も気がついたのか、一斉に恭也へと視線を向ける。 それぞれ敵意や苛つきなど、好意的なものではなかった。そのことには顔色も変えず、恭也は青年のほうへと顔を向けた。 「……大丈夫か」 その声に驚いたのか、目を見開いた後、弱弱しく青年は微笑んだ。 「……そうか」 恭也はそれで全て納得した。つまり、こいつらが悪い、ということだ。 「邪魔すんじゃねぇよ、真っ黒野郎。こいつみたいになりたくなかったら、さっさと出ていきなっ!」 言うと同時にその男は青年の右頬を蹴り飛ばした。くぐもった悲鳴と、地が床に落ちる音が室内に木霊する。 さらに追い討ちをかけようという男たち。 が―――、 ゴゥンッ!! 突如巨大な音が響き渡り、彼らは一斉にその動きを止めて、その音源へと顔を向ける。 音源―――ドア横の壁を思い切り殴りつけた恭也へと。 「ちっ、まだいたのかよアンタ。さっさと……」 「黙れ」 大して大きくはないが、とてつもなく低い声で放たれたその言葉は、男たちを威圧するには十分だったらしく、彼らは思わず黙った。 構わず恭也は歩き出す。背後でドアがしまり、入ってきたときと同じような空気が抜ける音が聞こえた。 しばらく歩くと恭也は青年の下へと辿り着いた。 屈みこみ、青年に声をかける。 「……傷が深い。打撲が多いとはいえ、油断はできない。医務室へ行こう」 言うや否や、恭也は青年の身体を持ち上げる。 青年は何か言いたげだったが、聞こえないふりをして恭也はドア目指して歩き出した。 「ま、待てよ、てめぇ!」 男の大声が響き、恭也はぴたりと足を止めた。 「……なんだ」 押し殺した声で返す。 それにわずかに気おされながらも、男が周囲の仲間たちに顎でくいっと合図をすると、恭也を囲むように男たちが動く。 それを見届けて、恭也は再び口を開く。 「……だから、なんだ」 この場に至っても冷静な恭也の声にちっぽけな自尊心を傷つけられたのか、指示を出した男がヒステリックに大声で叫ぶ。 「てめぇ、逃げれると思うんじゃねぇぞ!!」 その言葉を待っていたかのように、待機していた男たちが一斉に恭也へと魔法を放つ。 恭也は魔法が発動するかどうか、というタイミングで地を蹴り、壁の近くにいた男を一人、ボディブローで黙らせる。 そして抱えていた青年をその壁にもたれかけさせると、 「……ここで待っていてくれ」 一言だけ告げて、眉をひそめて恭也に心配げな視線を向ける青年の前に立ちはだかって男たちに対面した。 相手は魔導師。しかし、なのはやシグナムに比べれば格下もいいところの相手だ。体術だけでも勝てるだろうが、後ろには怪我人がいる。早急に治療を施す必要がある。 そう判断した恭也は、迷わず愛刀の八景を抜いた。黒光りする刀身に、意識して霊力を流し込む。 霊刀・八景。ぐっと、恭也は前傾姿勢でそれを構えた。 そして、瞬速で彼らに向かって駆ける。 一人目。懐に一気に接近。右手の八景で杖を弾き飛ばし、柄の部分でみぞおちに一撃。それで一人目は昏倒した。 二人目。呆然としている男も咄嗟に杖で殴りつけてくるが、それもわずかに横に身体をずらすことで難なくかわす。そしてそのままわき腹に同じく柄の一撃。二人目も倒れた。 三人目の男は、魔力弾を数個放ってきた。これもなのはのアクセルシューターに比べれば弱いし遅すぎる。全てよけきり、腹への一撃。 四人目。先ほどとは違い、視界を覆うほどの魔力弾。さすがにかわしきれず、恭也は八景で自らに当たりそうなものだけを選別して切り裂いていく。接近した後は同じく腹へ拳を見舞い、それで四人目も終わった。 五人目。戦意喪失。逃げていったので追わず。終了。 そして、最後の六人目。それは、さきほど合図を出していたあの男だった。 「……あとはお前だけだが、どうする」 言葉とともに八景を男に向かって突きつける。 五メートルほど離れた先で、男が目を見開いている。そして次第に顔が赤く染まっていき、肩が震え始める。 表情には屈辱と憤怒。まったくもって理不尽な怒りながらも、男は身を震わせて恭也を睨み付ける。 そして、怒りに満ち満ちた顔のまま杖を振り上げる。 「な、めるなぁ―――ッ!」 男の右隣に巨大な魔法陣が展開。 次いで現れた光景に、恭也は珍しく大きく目を見開いて驚愕を表した。 「な―――!?」 現れたのは巨大な生物。竜に似た部分が多く見られる、硬い鎧で覆われた魔法生物だった。 召喚魔法――赤龍召喚。 AAランクの高ランク召喚魔法である。 「くっ……!」 魔法に関わる者にしてみれば、ここまで高ランクではなくても魔法生物は味方としても敵としても親しまれたものである。 しかし、魔法などというものとは縁のなかった恭也にとってはまさに未知の生物。しかも伝説上の存在である龍に姿が酷似しているのだ。 龍は神に例えられることもあるほどの存在である。恭也が警戒するのも無理のないことだった。 「は……ははっ! これで形勢逆転だな、おい! やれ、赤龍! あの野郎をぶちのめしてやれッ!」 主の声に応えるかのように一声形容しがたい声で啼くと、赤龍はその巨大な体躯を生かして恭也へと体当たりを敢行した。 あれだけの大質量である。ただの体当たりだろうと、まともに当たれば即死しかねない。 恭也は警戒もあらわな厳しい表情のままその攻撃をかわすと、態勢を整えて八景を構え赤龍に向き直る。 (……実力が読めん。ここは、一度それなりの威力の攻撃をぶつけてみるのが定石か) 赤龍も体当たりで崩れた態勢を整え、再び恭也へと向き直っている。 それを見据えて、恭也は八景へと霊力をありったけ込め始める。黒い刀身がわずかに光り輝く。その淡い光を纏わせたまま、集中力を高めていく。見据える先は龍の首。愛刀を鞘に戻し、柄を握る手に力を込めて、さらに集中。 放つのは、自身がもっとも信頼を寄せる御神の奥義。 最大の霊力で放つ。龍などという常識の範疇外の生物。舐めてかかるわけにはいかないだろう。 呼吸をひとつ。 直後、黒い風が駆け抜ける―――。 瞬時に移動し、現れるのは龍の首元。目標を目で鋭く射抜き、八景を一瞬で抜き放っての高速の四連撃―――! ―――御神流、奥義之陸・薙旋――― 自身が持ちうる最大霊力を込め、もっとも得意とする奥義による攻撃は……、 あっさりと赤龍を葬り去った。 「……は?」 これには技を出した恭也のほうが驚いた。 断末魔の雄叫びを上げながら消えていく赤龍を見やりながら、恭也は見た目よりも強くはなかった龍に半ば呆然としていた。 ちなみに、シグナムはかつて紫電一閃の一撃で赤龍を葬っている。そのシグナムと渡り合い、互角の技を繰り出し続けた恭也にとっても、赤龍はそれほどの敵ではないのである。 恭也の場合、龍は神にも等しい生物であるという先入観があったために無駄な力を使ってしまったといえる。 そして、赤龍を召喚した召喚主も恭也とは違う意味で呆然としていた。 AAランクという管理局内でも有数の能力を持つ魔法であったにも拘らず、ただの一撃で倒されてしまった。 男にとっては自身の矜持といっても過言ではない最大魔法だった。それがあっさりと破られた。茫然自失となるのも無理はないというものだろう。 「あー……これに懲りたら、もう二度とこんなことはするな。いいな」 いまだにショックから抜けきらない男を置いて、恭也は同じくぽかんとしている重症の青年を背中に担いで訓練室を出て行く。 扉が閉まる。 あとに残されたのは四人の地に伏した男たちと、呆然と立ち尽くす哀れな魔導師だけだった。 部屋を出てリンディから受け取った端末を操作すると、どうにかエイミィへと繋げることができた。 事情を説明し、背中の青年も見せると、エイミィは急いで医務室や後始末の手続きを行ってくれた。 青年を医療班の人達に預けて、恭也は迎えに来たリンディとエイミィについて行った。 どうやら事情聴取のようなものをするらしく、恭也は簡単な質問をいくつか受けた。 そしてしばらくすると、監視カメラの映像からも恭也の言っていることが嘘ではないという証拠が出てきたので、恭也は当初からあまり疑われてはいなかったが、晴れて無罪放免となった。 本当は監視カメラも切られていたらしいのだが、恭也が思いっきり壁を叩いた時に動き出してしまったらしい。 それが恭也にとっては助けにもなったのだから、人生なにが幸いするかわからないものである。 それから恭也は桃子に言われたとおりに武装局員の学生たちに指導しているなのはの姿をいくつか写真に収めて、満足そうにもとの世界へと帰っていった。 ちなみにその後。その写真は運悪くなのはに見つかってしまい、なのはは非常に恥ずかしがって赤面した。 その日から三日。 今回の管理局内部暴行事件の重要参考人でもあった高町恭也を調べるためにアースラから提出されたシグナムとの戦闘記録と、今回の監視カメラに映った映像を見た管理局の面々は、恭也の戦闘能力を高く評価し、リンディ提督に勧誘の任務を任せたとか。 クロノはそれを聞いて、胃薬を購入したらしい。 そして、恭也が助けた青年。恭也の強さに感動したらしく、情報部の有力新人だったこともあってか、何故かどこからかシグナムとの戦闘データまで手に入れて、恭也のことを管理局内で嬉しそうに言って回った。 曰く、窮地を救ってくれた英雄 曰く、黒い人 曰く、正義の味方 ソードマスター 曰く―――" 剣 匠 " そのせいか、恭也は本人も知らぬうちに管理局内で着実に知名度を上げていくのだった。 その裏で、美しい翠の髪をした女性が微笑んでいたかどうかは……知る限りではない。 ――――――――――――――――――――――― 〜あとがき〜 え〜、ソードダンスの続編(?)のような作品です。 何気に表題も変わってしまっていますが^^; リンディさん、着実に外堀を埋めていってます(笑) あ、でも青年の暴行事件はまったくの偶然ですよ。 それにしても、この作品の中のクロノくん、扱い悪いなぁ;; |