魔法少女リリカルなのはA’s+ - After Story -









「―――それじゃ、私は失礼するわね。早速手を回してみるわ」


『はい。よろしくお願いします、リンディ提督』

 クロノの言葉に、リンディは楽しげに手を振っている。そして通信が切れると、リンディは、さて、と声を出して、デスクに向いていた顔を右隣にずらす。



 そこには、薄い栗色の髪と眼鏡をかけた優しげな少年―――ユーノ・スクライアが立っていた。



 しかし彼のその優しげな顔は曇り、何かに耐えるような……それでいて何かに抗うような苦い表情をしていた。そんな彼に、リンディは言葉を投げかける。

「オリジンさんの事件は今のところあんな感じだそうよ。……それとも、違うことで頭がいっぱいだったかしら?」

「―――え、いえ……そんなことは……」

 リンディの問いかけをユーノは否定するが、自分でもどこか上の空だった自覚があるのか、語尾は尻すぼみに小さくなっていった。

 そんなユーノに、リンンディは優しく微笑みかける。

「……私に言えることはあんまりないと思うけど。こういうことはやっぱりお互いで解決するのが一番でしょうから」

 そうリンディは口にし、交差させている足を組みなおす。

「ただ、それでも私は出来るだけ協力したいの。あなたたちは私にとっても大事な人たちなんだから」

 優しげな笑顔でユーノのことを見つめるリンディ。

 彼女は相談に乗ってくれると言ってくれたのだ。その心遣いに応えるためにも、自分の心のうちを整理するために





                           *





 アースラに通信した時なのはに目を逸らされたことは、彼にとってとてもショックなことだった。

 出会ってからこれまで、フェレット形態の時も人間の姿の時も、あそこまで露骨な拒否反応をされたことはなかった。

 好かれているかはわからないが、嫌われていない自信はある。

 そのユーノの中では大きな意味を占めていた考えが、音を立てて崩れていくように感じられた。



 だからだろうか、無限書庫を出て歩いている時、通行人に気付かずぶつかってしまったのは。

「―――あっ……」

「きゃ……!」

 どん、という軽い衝撃のあと、相手の持っていたファイルのような束がバサバサと廊下に落ちる。

「あ、すいません……!」

 ユーノは慌ててしゃがみ、ファイルを拾い始める。ファイルの数は全部で七つ。大して時間もかからず集めることが出来た。

 立ち上がり、頭を下げてファイルの束を差し出す。

「ごめんなさい、僕の注意不足で……」

 対して相手は差し出された束を受け取り、笑みさえも含んだ声で彼に応えた。



「いえいえ、ありがとうユーノさん」


「え?」

 見知った声を聞き、ユーノは顔を上げる。目線の先には、微笑んでいるリンディ提督がいた。

「リンディ……提督?」

「そうよ。お久しぶりね、ユーノさん」








「悪いわね、わざわざ部屋まで運んでもらっちゃって」

「いえ、ぶつかったのは僕の方ですから当然です」

 リンディが部屋に資料を持っていくところだと言うので、ユーノは僕がお手伝いします、と進言したのだった。ファイル七つだけということもあってリンディは遠慮したのだが、そこは他人を慮る彼女のこと。ユーノにどうしてもと言われれば、断れず結局お願いしたのだった。




 そういうわけで、今ユーノたちがいるところはリンディの本局での仕事部屋である。提督ともなると、本局にも結構なスペースを持った個室をもらうことができる。二つの部屋を繋げたようなその部屋は、片方の部屋が仕事用のデスクと本棚などであるのに対し、もう片方の部屋は、畳にちゃぶ台と壁にちょうちんが掛けられ、十手が飾られていた。例えるなら、日本を勘違いしてやってきた外国人といった風情の部屋だった。


 目の前でデスクの前に座るリンディのその相変わらずのセンスに、ユーノは口端を引きつらせた笑いしか浮かばなかった。


「それにしても、同じ本局勤務だっていうのに、会わないものねぇ」

「え? ああ、はい。そうですね」

 リンディは備え付けられたコンロにヤカンをセットし、ユーノに背を向けながらそう話しかける。

 その言葉にユーノは確かに、と思う。これまでリンディに会ったことがないわけではないが、それでも前に本局で会ったのは一年ぐらい前のことだったと思う。それ以外で海鳴市の自宅の方でなのはたちと共に会うことはあったが、本局内で会うことは滅多にない。

 まぁ、ユーノが書庫の司書として基本的に書庫から出ないことも原因のひとつだろうが。

 ふぅ、とユーノは身体の力を抜くようにため息を漏らした。

「何かお悩み?」

「え?」

 リンディはくすくすと笑う。

「ため息出ていたわよ」

「あ……すいません……」

 無意識のこととはいえ、ため息なんてあまり人に聞かせるものではない。ユーノは素直に頭を下げる。

 その様子に、リンディはまた小さく笑った。



「いいのよ、別に。……それよりもお悩みなのは、なのはさんのことかしら?」


「え!?」



「やっぱりね。ユーノさん気づいてるかしら? あなた、さっきから私の言葉に「え」としか返してないの」

 ユーノは、確かにそうかもしれない、と考える。

 リンディの言葉は続く。

「あなたがそんなに他のことに気を取られるなんて、なのはさんのことぐらいしか考えられないもの」

 どうかしら、とリンディは微笑む。お見通しとばかりの言葉に、ユーノは照れながらもこくりと頷く。リンディは常識ある立派な人だが、誰であれ自分の片思いの相手をこうも簡単に言い当てられれば照れくさいものである。

 しかし、照れて染まった頬もすぐにもとの色に戻り、視線も伏し目がちになっていく。

 そんなユーノの様子に、リンディは苦笑のような笑顔で声をかける。

「……何かあったのね。もしよかったら、私に相談してみない?」





                          *












 その言葉の直後、クロノのほうから通信が入り、オリジンの事件の報告があったのだった。オリジンの事件には当然なのはも関わっているので、ユーノはなのはの顔が見れないかと思ったが、残念ながら見ることはなかった。


 そのことは少なからず気を落としたが、それでもユーノは再び考えをまとめ始める。

 そしてこれまでの経緯などと自分の考えもまとめ終わり、ユーノは話した。



 ここ数日のなのはとの出来事を。告白まがいのことをお互いにし、最終的に自分が何も言えなかったこと。それからアースラに通信した時に、なのはに避けられたこと。その時の自分の気持ちも含めて、全部。

 それらの話をためらいがちに話すユーノに、真剣な表情で耳を傾けるリンディ。リンディにとってはなのはもユーノも大事な人達である。その二人がそれぞれ好意を持っていることは周りの皆も気が付いていた。そして、皆がそのことを微笑ましく……喜ばしく思っていることもリンディは知っていた。

 だからこそ、リンディは二人のことを応援していた。まぁ、この二人だけではなく、あるとき息子と娘が自宅でなにやらいい雰囲気だった時はちょっと困惑したものだが……それでもリンディは彼らのことも幸せな結果が訪れることを願っている。そっちの件もこの件も、お互いが幸福になればいいというのがリンディの正直な気持ちだった。

 だから、リンディはそのための努力と協力は惜しまない。みんなが幸せに、という子供じみた理想を……信念だと思うから。




 ユーノは話し終わると、そのままうつむいてしまった。対してリンディは考えをまとめるように頬に手を当てて目を閉じる。



「―――……ふぅ。……なのはさんと同じ女性として言わせてもらうなら、ユーノさんの態度は結構こたえるわね」

 ため息とともにリンディは、どこかしみじみとユーノの行動をそう評した。

 リンディの言葉で聞かされたことで改めて自分の行動を思い返したのか、ユーノは消え入るような声で、はい、と頷き、頷きざまに再び沈み込んでいった。

 そんなユーノの様子に、リンディは今度はため息ではなく苦笑がもれる。




 ―――真面目で、責任感が強くて、理屈っぽく考える癖があって、でも相手に対して優しいから、こうして自分の行いが相手を傷つけたことを深く抱え込んでしまう……。




 まったくもって、どこかの誰かさんにそっくりだとリンディは思った。もっとも、その誰かさんにそんなことを言ったら、あんな使い魔と僕を一緒にしてほしくない、と一蹴されるだろうけど。

 今度はその様を想像してリンディはくすりと笑う。なのはさんといい、フェイトさんといい、このユーノさんといい……自分の周りは本当にいい子ばかりだと、リンディは思わず微笑んでしまうほど嬉しく思った。

 目の前で落ち込んでいるユーノも優しく、しっかりしたとてもいい子だと。リンディはちゃんとわかっている。だからこそ、リンディは彼に答えを教えるつもりはなかった。




 時には、答えを知るよりも大事な事だってある。




「……でもね、ユーノさんの行動だって全部悪いとは言えないのよ?」


「―――え……?」



 リンディの言葉が意外だったのか、ユーノは思わず伏せていた顔を上げた。

 それと同時にさっき火にかけていたヤカンがピー、と音を立てて湯が出来上がったことを知らせる。リンディは席を立つと用意してあった急須にお湯を注ぎ、そして二つの湯のみに急須からお茶を注いで、片方をユーノに渡し、もう片方を自分のデスクに運ぶ。淡い緑の湖から湯気が立ち上る様はどこか幻想的で、ユーノは持つ手を少しずつ組み替えながら、熱い湯のみの中をしばらく覗き込んでいた。


「お茶、熱いうちにどうぞ」


 リンディに促され、ユーノは湯飲みに口をつける。少し渋みのきいた緑茶が、落ち着きを運んでくれるように身体に染みていき、ユーノは少し沈んでいた気分が楽になった気がした。

「ありがとうございます。おいしいです、リンディさ……」

「そう? そう言ってもらえると嬉しいわ」

 ユーノの言葉を聞いて嬉しそうな笑顔を浮かべるリンディは、角砂糖を一個、二個、三個と緑茶に投入していく。そして次にコーヒーに注ぐようにミルクを垂らし、ティースプーンで緑茶を混ぜる。カチャカチャとスプーンと湯のみがぶつかる音が印象的だった。

 そしてスプーンを置き一口お茶を飲むと、リンディはほう、と落ち着いた吐息とともに幸せそうな表情を浮かべた。

 ユーノはもはや周知の事実であるリンディの極度の甘党ぶりに、口を閉ざしてその様を眺めるだけだった。



「……それで、さっきの話だけど」

「あ、は、はい」

 違うことに気をとられていたユーノは、慌ててリンディの言葉に相槌を打つ。

 そのことを特別不審に思うことなく、リンディは言葉を続ける。




「例えば、ユーノさんは最初、なのはさんに告白しようとして話しかけたわけでしょう?」


「こ、こくはく……! ―――う、あ、は、はい……まぁ……」

 大いに照れながらもそのことを認めたユーノに、リンディはよく出来ましたと言わんばかりの笑顔を見せる。

「だから、その勇気を出して話しかけたところまでは褒められるところよ。ほら、全部が悪いわけではないでしょう」

 にっこりと笑うリンディだが、ユーノの気持ちは晴れなかった。

 だけど、とリンディの言葉に反論する。

「だけど、結局僕はその……告白、出来ませんでしたし。それに、なのはにもたぶん呆れられて、嫌われたかも……」

 どんどんと沈んでいくユーノの言葉に、リンディは頷く。



「そうね。そこは褒められないところよ。なのはさんがユーノさんのことを嫌いになったかどうかは、この際置いておくとしてね」

「?」

 ユーノは首をかしげる。

 最初はリンディが励ましてくれているのかと思ったが、そうではないような口調に、ユーノはリンディの考えを図ることは出来なかった。

 リンディはふっと微笑む。



「……私はね、ユーノさん。結果がすべてとかそういった考えはあまり好きではないの」



 お茶を口に含み、リンディは一度のどを湿らせた。




「よく、実力主義は結果がすべてって言うけど…………そうね、例えばある事件をユーノさんが招いてしまったとしましょう。けど、その事件はユーノさんが責任を持って考えうる限り最高の形で、そうね……結果的には管理局にとっても利益のある形で解決しました。……さて、ユーノさんが事件を招いたことは問題ないかしら?」

 そんなわけはない。大問題だろう、とユーノは思う。そもそもユーノがそのきっかけとなったことをしなければ事件自体起こらなかったのだ。たとえ結果として局の利益になる結果となったとしても、ユーノのせいでいらない混乱が生まれたことは消すことの出来ない事実なのだから。



 そうユーノが口にすると、リンディは頷いた。


「そうね。ユーノさんの言うとおり。まぁ、今のは極論だったと思うけど、結果よりも何よりも、きっかけや過程が大事なこともあるのよ」

 さっきの話で言うなら、もう事件が起きないように。そのためにはきっかけを反省することが何よりも大事だから。

「だから、今回のユーノさんの行動も、そこまでの勇気はよかったところ。でもそのあとがよくないところ。そういうことよ。……たとえ結果がどれだけダメでも、本当に大事なことを見失っちゃ本末転倒よ?」


「本当に、大事なこと……?」


 ユーノのこぼれるような言葉に、リンディは静かに首肯し、真剣な顔でユーノを見据える。




「―――ユーノさんは、どうしてなのはさんに告白したいと思うのかしら?」




「!」



 リンディの言葉はとても、とても当たり前のことを聞いただけだった。告白する理由なんて、古今東西ひとつに決まっている。

 そう判りつつもしかし、その言葉でユーノは気付いてしまった。自分がたった今まで何を気にしていたのかを。

 なのはに呆れられたかも、嫌われたかも、悲しませたかも、とずっと思っていた。そのことでずっと悩んで頭を抱えていた。




 そう、確かに悩んでいたのだ。なのはのことを考えながら、しかし彼女のことを想わずに。




 ユーノが考えていたのは、ただなのはがどう思ったか、どんな状態になってしまったか、といったことだった。それはなのはをただ心配しようとしていただけで、なのはのことを想ってなどいなかった。


 そのことに気付いてしまった。


 そうだ、と思う。なのはのことを想っていたなら、何がダメだったのか反省したり、もう一度どうやって想いを伝えようか、とそういうことを悩んでいるはずなのだ。それが、たぶん当たり前に悩むことだった。

 結局、自分が悩んでいたのはひどく情けないことだったのだ。なのはのこと、と言いつつ、自分の体裁しか考えていなかったのだ。

 本当なら、嫌われたかもと思うより好かれようと思い。なんであんなことを、と悩むより、どうやって再び告白するかで悩むべきだったのだ。

 格好悪い自分から逃げて、なのはのことを心配することでなのはのことを想っているように見せていただけの自分。気がつけば何とも馬鹿らしく、そして恥ずかしいことだった。



 あろうことか、自分の弱さをなのはのせいにしていたのだから。



『本当に大事なことを見失っちゃ本末転倒よ?』



 リンディの言葉が再び頭の中に流れる。

 そう、本当に大事なことはひとつだけ。自分の弱さを嘆いたり、自分の短所を気にすることじゃない。



『―――ユーノさんは、どうしてなのはさんに告白したいと思うのかしら?』



 自分の体裁を気にしていたのは自分の弱さを隠したかったから。そうではない。そう、そんなことはどうだっていい。


 ただ、大事なことは一つだけ。それだけしかなかったということに、ようやく気付いた。


 だから、ユーノはリンディの問いかけに、自信を持って、そして何よりも真剣に答えた。




「―――なのはのことが、誰よりも好きだからです」




 そう、それだけでよかったのだ。それだけで、きっとどんな行動だった起こせたはずなのに。なぜ自分は何もしなかったのだろう。あんなに情けない行動で自分を正当化してまで。

 だから、そのことはこれからのことで。ちゃんとこの気持ちに向き合うことで、清算していきたいと思った。なのはに対しても、言い訳せずに、毅然とした態度で。



 なぜなら、自分は彼女のことが好きなのだから。



 ユーノの答えに、リンディは満足そうに微笑んで、ユーノのことを見つめた。

「……その言葉は、本人に言ってあげなさいね。きっと、なのはさんも待ってくれているわ」

「そう、ですかね……」

 リンディの一言で途端に弱気になるユーノに、リンディは苦笑する。

「もう、せっかくカッコよかったのに。……でも、自信がなくても、大事なことが何かはもうちゃんと判ったみたいね」

「はい」

 その言葉にはっきりとリンディの顔を見て答えるユーノに、リンディはもう心配要らないわね、と小さく口の中で呟き、安心したようにお茶をすする。


 そして、ふぅ、と一息つく。



 一息ついたあと、リンデイの口が小さく開く。何かまたリンディが言おうとしているのだと感じ、ユーノは気持ち身構えた。



「……そういえば、ユーノさんはうちのクロノたちのことはどう思うかしら?」


「…………は? クロノたち、というと……」

 まったく想像もしていなかった質問に、ユーノは一瞬呆けてしまった。そんなユーノの様子は知らず、リンディは言葉を続ける。


「私の、息子と娘のこと」


 ああ、とユーノは気まずそうに相槌を打った。

 クロノとフェイトの関係……しかもリンディの言い方だと、つまりは男女間の関係のことを指しているようだった。

「この間なんか私が家に帰ったら二人で仲良く料理しているのよ。手が触れ合うと照れちゃったりなんかして。帰ってこないほうがよかったかしら、ってお母さん悲しくなっちゃったわ」

 はぁ、とため息をつくリンディにユーノは苦笑するしかない。



「……それで、ユーノさん。よかったらなんだけど、クロノとフェイトのことで何か発見したら私に教えてくれないかしら?」



「は……え!?」


 予想外の提案にユーノはのけぞるように驚いた。

「私としては嬉しいことなんだし、なんていうか……あの二人ってあれで奥手だから、ちょっと協力してあげたいなー、と思ったり……ねぇ?」

「はぁ……」

 つまり、他人の恋愛話ほど面白いものはない、ということらしい、とユーノは思った。

「協力してくれるかしら、ユーノさん?」

「え、いえ、さすがにそれは……」


 クロノのことを思えばザマーミロと思わなくもないが、さすがに人の恋愛に関与しようとは思わない。本人に対しても失礼な気がするし、何よりまだ自分の問題も解決していないし……。


 と、そのようなことを伝えようとしたのだが―――


「ダメ、かしら……。また困ったことがあったら相談に乗ってあげるんだけど……」


 リンディの言葉が決断しかけたユーノの心臓をどきりと音を立てて貫く。

 う、と呻くような声を出して、しばしの逡巡の後ユーノはこう答えていた。



「よ、喜んで引き受けさせていただきます……」


「ごめんなさいね、ユーノさん」

 リンディも卑怯な物言いだったことを自覚していたのか、申し訳なさそうに謝ってくる。そうまでされてはもう断ることも出来ず、ユーノは間者としての役目を背負わされてしまった。

(ごめんクロノ、フェイト……)

 ユーノは二人の顔を思い浮かべながら、とりあえず二人に謝った。




                          *




 同時刻。グレアム邸のリビングに、二つのくしゃみの音が響いた。




















―――To Be Continued